サイトへ戻る

日本大学の人工衛星NEXUSの見学をしてきました❗️

昨日、母校のつながりで日本大学が開発した『NEXUS』という人工衛星を見学させていただきました。

昨日行われたのは、本日JAXA側への引き渡しを行う前の完成披露イベントで、開発に関わったJAMSAT(NPO法人 日本アマチュア衛星通信協会)の方々もイベントに参加されていました。

日本大学が初めて開発した人工衛星『SEED』は、私が在学しているとき(2006年の当時3年次)にソユーズに載ってバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました(確か7月くらい)。その時は学校の勉強や主に自分たちがモデルロケットの世界大会へ向けて準備をしている時で、てんやわんやだったと思います(その時のモデルロケット世界大会は奇しくも同じバイコヌール宇宙基地で行われました。こちらは2ヶ月後の9月でした。)。

そんなこんなで、そのときはSEEDについて詳しく見ることもなかったのですが、授業の実験で衛星の姿勢制御に関するテーマがあったので、なんとなく興味は沸いていたのを覚えています。

『衛星設計工房』という学科直属の取り組みがあり、研究室に属していない3年生以下の学生も衛星設計に研究室の一員として関われるというものがありました。熱心な人は1年次から参加していて、打ち上げ予定や延期に一喜一憂していたり、打ち上がって大喜びしていたのを覚えています。

余談ですが、日本大学理工学部の航空系の部活やサークル、研究室は徹夜組が多く、人力飛行機の航空研究会と衛星を運用している宮崎研究室は特に大変な印象でした。私が所属していた当時の宇宙航空研究会(NUSARA)も作業が夜遅くまで行っていることが多く、学内のローソンで学科の友人(航空研究会か衛星設計工房の友人)に会うと、よく励ましあっていたのを覚えています。)

あれから12年の月日が流れ、今回初めて見学に参加し実物を見てきました。

broken image

今回のNEXUSという衛星は、CubeSatという分類の衛星です。CubeSatは、10cm角程度の小さな衛星を指すもので、太陽光パネルやアンテナ、各種センサーなどが搭載されている本格的な衛星です。CubeSatの打ち上げは、別のメインである大きな衛星が打ち上げられる際に相乗りで行われます。メインの衛星が搭載される際に、搭載スペースには隙間ができます。そこの隙間を利用して小さな衛星たち(CubeSatなど)が一緒に載せられて打ち上げられるのです。

今回のNEXUSは、イプシロン4号機に載せられて12月に宇宙へ飛び立ちます。高度は500km。ISS(国際宇宙ステーション)の400kmより高い高度に打ち上げられます。

ミッションは4つ。2種類の通信モジュールの動作実証、宇宙環境のノイズ調査、カメラのテストが予定されています。

これらのミッションは、打ち上げから1ヶ月間かけて行われる太陽光パネルの展開や各種準備の後から開始され、予定では2019年の2月から行われるそうです。2020年には試験を終え、大気圏突入してミッションを終える予定だそうです。

10cm角の小さな筐体ですが、基盤やらフレームやらカメラやらが入っており、中身はギュッと詰まっています。特に配線の取り回しが大変だそうで、組み付けの際には干渉しないように気をつけながら組み立てられたそうです。さらに、この衛星をPODという箱に入れてからロケットに搭載するのですが、その箱とも干渉してはいけないし、隙間があっても設計想定外の振動が入ってしまうため、寸法の精度が0.1mm単位で出さなければならず、組み付けはトライ&エラーで何回も行ったそうです。

発表会のスライドでは、振動試験の様子や衝撃試験の様子、宇宙空間を模した真空条件下の温度試験(ベイクアウト)の様子も紹介していただきました。

そして、制作場所の見学やアンテナも見学もさせていただきました。

1番最初に打ち上げたSEEDの時に、管制を行う最初の地上局の立ち上げがあったり、アンテナの設置があったりして、おそらくいくつかの改修があって今に至っているんだな、と見ていて思いました。まさにSEEDで取り組んでいたことが『種』になって成長してきているようでした。

学生の皆さんや先生がイキイキしているのを見て、私自身、今回のイベントで皆さんに励まされたような気がしました。私たちのこれからもコツコツ取り組んでいって、種となり成長していけばいいな、と思います。

挑戦者は気高く、美しく、そして価値がある。と野球の野村監督が言っていたのも思い出しましたので最後に書いておきます。

broken image
broken image